「本末転倒」
皆さんもよく聞く言葉だと思います。辞典で意味を調べると、「物事の根本的なことと、そうでないこととを取り間違えること。」と、出てきます。
この言葉がどんな由来からきているのか、そして現代においてどのように捉えればいいのか。そんなことを今回は深堀していきましょう。
この「本末転倒」の真意を探るに、核心を突く文献があります。
人間教養の古典である「四書」の1つである『大学』という書物の中に、「その本乱れて末治まる者は否(あら)ず」という言葉があります。
要約すると、どんなに身分の人でも、自身をよく律することがすべての物事での根本であり、その根本が乱れていれば、どのような手段や豊富な知識を得たところで、末端が治まることは無いという教えです。
2000年以上前の書物ですが、これは現代社会において非常に大切な教えではないでしょうか?
この「本末転倒」を解体すると、「本学」と「末学」に分けられます。
「本学」とはその目的や背景を考え、自身の人間性を養う学問です。対して「末学」は手法や知識を養う学問です。
「本学」は社会にとって、働く目的や企業の背景、自身の根本にある価値観や人間性です。
「末学」はスキル、学歴、資格といった職務能力と置き換えられます。
情報化された現代において、プログラミングスキルや語学力、宅建やありとあらゆる資格に関心が集まることで、需要も高まっていることは事実です。
しかし、これらは枝葉である「末学」です。
こういったスキルを否定している訳ではありません。スキルを取得し、業務に生かすことは素晴らしいことですし、非常に重要な力です。
しかし、「末学」ばかりを学び、根っこの部分を担う「本学」を疎かにしてしまうと、文字通り「本末転倒」となってしまいます。
情報で溢れた現代だからこそ、「本学」である、目的を明確にし、自身や相手の背景まで考えること。そして何より、自身の人間性を養うことがスキルや知識を活かすことになります。
株式会社2peaceでは「末学」ではなく「本学」に着目し、働く人が目的を持ち、活き活きと働ける社会を目指したサービスを展開しております。
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